女性が数人集まれば自然と話題になるのは恋の話だ。

 本日二度目となる巻き込み事件が発生した付近の喫茶店で、チェズレイはそろそろと紅茶を啜っていた。本場のものと比べればやや味は落ちるが、合格点ではある。むしろこの程度の規模の店で、これだけ良質な茶葉を仕入れている点が純粋に驚きだった。オーナーの識別眼、もしくは購入ルートを確保しこの価格で提供させたバイヤーの手腕か。いずれにせよ評価に加点してもいいかもしれない。と目の前で繰り広げられている話の内容をよそに、チェズレイが評論家のようなことを考えている理由はひとえに現実逃避だ。

「最近ルークとはどうなんだい」
「……どうって。別にどうもしてないよ。ルークもルークで色々と忙しそうだし」
「けれど連絡は取り合っているんだろう。今度二人でパンケーキの食べ放題に行くそうじゃないか」
「……何で知ってるの。……分かった、言わなくてもいい。ルーク本人が教えたんだよね」
「ここ最近何やら上機嫌だったものでな。理由をきいたらあっさりだった」

 スイが両手で顔を隠したが、見えなくても真っ赤になっていることがナデシコとチェズレイには分かる。可愛いねえとくつくつ笑うナデシコの横で、チェズレイは居心地の悪さを感じていた。いわゆるガールズトークというものに、性別も年齢もまるで当てはまらないチェズレイが参加している場違いさに原因があるのは明らかだった。

「歌姫さんは本当にルークのことが好きなんだな」

 周知の事実とはいえ明け透けにも程がある。いくら店内が混雑していない時間帯であるとはいえ、集中すれば隣の会話くらい簡単に盗み聞き出来る距離だ。ナデシコもスイも人目を惹く容姿をしているし、何よりその中に紛れ込むチェズレイが一番目立つ。特にスイなどは特殊な職業から色恋関係にもっとも気をつけねばならないだろうに、当の彼女と言えばぱたぱたと赤くなった顔を掌で仰いでいるだけだった。

「歌姫さんはルークのどういうところに惹かれたんだい?」

 ボスの魅力などはチェズレイだけでなくナデシコだって知っているはずなのに。それでも敢えて質問を投げるのは、スイの口から直接言わせたいのだろう。チェズレイが二人のこういった会話に参加するのは初めてだが、恥ずかしがってはいるが決して嫌がってはないスイの態度を見ると、何度も繰り返されているやりとりなのだと想像するに容易かった。

「いい大人なのに、ニンジャジャンみたいなヒーローものとか甘いものが大好きで。警察官なのにそうとは思えないほど、優しくて明るくて。それなのに、いざというときは信じられないくらい頼りになるところ」

 臆面もなくきっぱりと言い切ったスイの顔はまだ赤いままだが、ナデシコにからかわれていたときよりは少し落ち着いたようだ。

「つまりはギャップに弱いのだ」

 おもむろにスプーンを右手で取り上げたナデシコが、筆で絵を描くように優雅な仕草でイチゴパフェの先頭を掬って、豪快にがぱりと口の中に放り込んだ後に言った。ギャップ、と唇から零れ落ちた言葉が隣に座っていたスイのものと重なる。

「普段は弱気なくせに、ここぞという時には強くなって脅威に立ち向かったり。いつもは己の強さをこれ見よがしに強調するくせに、実に些細なことが弱点だったり。自分が見慣れている相手の認識を否応なく正される際、マイナスに傾くこともあればプラスに働くこともあるのだろう。後者の場合は特に恋心にリンクしやすい」

 二人ともそういう経験はあるんじゃないかとナデシコに問われ、チェズレイは成程一理あるなと肯いた。チェズレイの頭の中に一番に浮かぶ該当人物は勿論モクマであって、彼こそ最たるギャップの持ち主ではないかとさえ思う。自分ではない誰かの為に全ての力を捧げるくせに、自らの命は粗末に扱いがちで。そうして死にたい死にたいと泣いている心の裏で、それでも生きたい生きたいと強く足掻いていたのもモクマだ。自身の中の真実にうそぶく彼はとてつもない卑怯者で、けれど向き直ったモクマは誰よりも己の心に誠実でとても美しかった。


 仮初ではないモクマの言葉で、チェズレイの幸福を願ってくれたあの星の夜。


 チェズレイが恋に落ちた瞬間といえばきっとあの時からだ。そして今もなおチェズレイはモクマに惹かれ続けているのだろう。


 向けられる穏やかな笑顔に。チェズレイを心から慮るその優しさに。


 そういうモクマの方は一体チェズレイのことをどんなふうに見ているのだろう。思っていたのと違っていた、という言葉は以前モクマから面と向かって伝えられたことはある。昔チェズレイを傷つけるためだけにあったその言葉を、しかしモクマは優しい意味に塗りかえてくれた。けれどそれはあくまでモクマを救った恩人としてで、相棒としての域を決して越えてはいないのだ。


 モクマのことで心があるべき範疇から飛び出してしまったのはチェズレイだけなのだ。


 チェズレイばかりが、一人で勝手に。


 考えているうちに何だかふつふつと怒りが湧き上がってきた。明確な原因があるわけもない。ただの八つ当たりに近いものだ。モクマにも同じ感情を向けて欲しいなどとはチェズレイは微塵も期待はしていない。チェズレイが願うまでもなくモクマがただ愛しいという理由だけで自分を抱きしめてくれたら、なんてありえない幻想にも縋らない。ただちょっぴり悔しかったのだ。モクマとの関係を尋ねられた時、チェズレイと同じことを答えただろうモクマの姿が容易に浮かんで。自分ばかりがモクマのことを意識しているみたいで。

「ギャップをうまく使って、まずは想い人に自分を意識させることはかなり有効だろう。その為にはともかく、自ら積極的に行動してみることだな」

 チェズレイの思考を断ち切るように、ナデシコが激励の言葉を贈る。意識を二人に戻すと、何故かナデシコもスイもチェズレイをじっと見つめている。チェズレイの顔に何かついているのだろうかと心配になったが、口元に生クリームをつけているのはむしろナデシコの方だったので、チェズレイはそれとなく指摘した。

「健闘を祈る」

 生クリームを拭い取ったナデシコがまるで重大な任務を遂行するみたいに言うものだから。チェズレイの背筋が無意識にぴんと伸びた。


※※※※※


 どん、と鼓膜に響く爆発音と同時に眩しい光が四方に弾けた。光と音の速度からして、ここからさほど遠くはないだろう。今回の潜入にはこのような予定はなかったはずだが、おおよそボスと怪盗殿が無茶をした結果だろうなと検討がついた。冷静なチェズレイを囲む悪の組織の残党は、動揺したように金切声で支離滅裂なことを叫ぶ。酷く耳障りな声だった。

「おや、そのように気を逸らしてよろしいのですかァ。あなたがたのお相手は私ですのに」

 油断しているところをこれ幸いにと、チェズレイがばっさばっさと仕込み刀で雑魚を切り捨てる。苦痛に顔を歪め倒れこむ男共。つい先ほどまでチェズレイに下劣な言葉を発していた元気もなく、固い地面に転がって痛みにのたうち回っている。その内の一人の頭が、体ごと丁度チェズレイの足元に転がってきた。

「……ひっ!! 頼む、命だけは!!」

 懇願する男の表情をチェズレイは冷めた目で見つめていた。この男はチェズレイに殺されるとでも思っているのか。チェズレイに殺される価値のある下衆だと思い込んでいるのか。

「ご安心ください。殺すにしても私にも選ぶ権利がありますので」

 言い捨てたチェズレイは踵を返しながら、ふと考えた。例えばもしチェズレイが命乞いをするように弱々しくモクマに頼れば、それはギャップになるだろうか。そんな危機は万が一でも訪れる訳がないのだけれど。チェズレイが敢えて小さな傷を負い、モクマに助けを求めるような。

 背後に殺意を感じたと同時に、鈍い衝撃音と潰された獣のような声が聞こえた。振り向けばいつの間にそこにいたのか、モクマが鎖鎌を駆使して例の男を軽々と遠方に吹き飛ばしていた。

「こんな時に珍しく考えごとかい? いくら今回の潜入が楽勝でも、隙を見せるのは感心しないな」
「申し訳ありません」
 やんわりとモクマに窘められたチェズレイは、あっさりと頭を下げた。

「いや、別に反省してるんならそれでいいんだけどね」

 あまりにチェズレイが素直に謝罪を口にしたので、モクマの方も毒気が抜かれたようだ。気を取り直したようにそろそろ二人と合流しようかと告げるモクマの言葉に肯き、チェズレイはその場を後にした。

 戦闘中に敢えて気を抜くなどということは、モクマの隣にいるべき人間として許されない。チェズレイの心がそれを決して許さない。ましてや傷を負って相手の気を引こうものなど、笑止千万だ。モクマが少しでも傷を負ったなら、チェズレイは居てもたってもいられないのに。だからそんな浅はかな考えを一瞬でも考慮してしまった自分を、チェズレイは深く自省していたのだ。


 業務遂行中に不適切な考えを持つことは褒められるようなことではない、と自分にも周りにも配慮したチェズレイの次なるギャップ作戦は日常生活において行うこととなった。

 普段の何気ない行動の中に自分の隙を見せつけて「へえ、チェズレイにも意外なところがあったんだねえ」とモクマに驚いてもらうのが最終的な目標だ。

 そのためにも、自分らしくない何かを事前に仕込まなくてはならない。誰も傷つけない、誰も傷つかない方法で。リビングのソファーに深く腰掛けたチェズレイがああでもないこうでもないと思い悩み始める。わざとらしくなく、かつそれでいてモクマが気にかけてくれるようなもの。

「チェズレイ。ちょいと買い物に出かけてくるけど、お前さん何か必要なものはあるかい?」

 眉根を寄せてうんうんと悩んでいると、モクマがリビングに顔を出してチェズレイに尋ねた。

「いえ、特には」
「そっか〜。ちょっと不在になるけど、後はよろしくね」
「モクマさん」
「うん?」
「後ろに寝癖がついてますけど、まさかそのお姿のままでお出かけになったりはしませんよね」
「……えへ、えへへ」

 慌てたように手ぐしで後ろ髪を整えようとするモクマに、ついでにボタンも掛け違えていますよと追ってチェズレイが忠告する。立ち上がったチェズレイがモクマに静かに近づいた。

「財布はお持ちですか」
「そりゃあもうばっちり」
「本体だけではなく、中身の問題ですが」
「……ええと、その辺も抜かりなく」
「昼酒を嗜むのは結構ですが、飲みすぎには十分ご注意ください」
「……へい」

 モクマの考えや行動などチェズレイにはお見通しで、なのに下手に隠し通そうとするモクマがおかしい。

「ついでと言ってはなんですが、手ぬぐいのご用意は」
「それだけは完璧。なんと昨日洗濯したばっかりなんだよねえ」
「意外ですね」
「おろして以来初めてだけど」
「あァ……さすがは期待を裏切らない下衆の衛生管理ですねェ」

 下衆の衛生管理ってどういうこと、と軽く落ち込むモクマの姿に、ついチェズレイは吹き出してしまった。そしてモクマも肩を竦めて笑ってみせる。

「じゃあね、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい。どうぞお気をつけて」

 モクマがリビングから出て姿を完全に消した後になって、チェズレイは自分の失態に気がついた。

 しまった。モクマに「意外だ」という言葉を使わせたかったのに、逆にチェズレイが口にしてどうする。しかも相手を驚かすという行為をやってのけたのはモクマの方じゃないか。これではチェズレイが期待していたものと全く真逆の結果だ。チェズレイは軽く項垂れたままソファーに再び座り込み、そして深く意気を消沈させた。

 ギャップなんて、ただただいつもとは違う自分を見せるだけだと思っていたのに。どうしてこうも上手くいかない。


※※※


 そもそも前提としてモクマの目の前でチェズレイが行動すること自体、不要なことだったのかもしれない。直接ギャップを見せつけるだけが手段ではない、とようやく思い当たったチェズレイは早速その計画を実行に移すことにした。

 キッチンにはチェズレイが数日前に適当に購入した多くの食材が並ぶ。瑞々しい野菜と新鮮な肉と魚。すう、とチェズレイが深呼吸を数度繰り返す。これらの食材を今からチェズレイが調理するのだ。別にチェズレイは料理の経験がないわけでもないし、不得手ということもない。だが今回はレシピを調べるもなく、全て感で調理を施そうとしている。目指すのは、モクマの知り合いのあの老婦人が作ったお惣菜だ。味の記憶だけを頼りに、アレンジしながら作る。料理初心者の失敗談によくある話だ。勿論食材を無駄にするのは気が引けるので、砂糖を大量に投入するだとか半生の鶏肉を提供する、ということは無しにする。

 口に入れた瞬間に、確実に失敗作だと分かるようなもの。

 覚悟を決めると、チェズレイは包丁を持った。全ての準備は万端だった。


「……どうして」

 チェズレイはキッチンの床にそのまま膝から崩れ落ちた。その際に大きな物音を立ててしまったらしい。音に感づいたルークが慌てたようにキッチンに駆けこんできた。悲壮感を漂わせて床に両手をついて倒れこむチェズレイと所狭しと並ぶ出来立ての料理を交互に見比べて、ルークはあからさまに戸惑った表情を浮かべている。

「チェ、チェズレイ。一体どうしたんだ?」
「……ボス」

 魂が体から抜かれたようにチェズレイは、座ったままルークを見上げる。

「昼食をご用意しましたので、是非召し上がってください」
「いや、そんなことを言っている場合じゃないだろ」
「私はただの貧血みたいなものですので、少し部屋で休めば回復するかと」
「じゃあ、チェズレイが本調子になるまで待つよ。こんな良い香りがする美味しそうな料理を、作った本人を差し置いて食べれるわけがないだろ」

 ルークはただ事実を端的に捉えているだけなのに「美味しそうな料理」と賞されたチェズレイは胸をナイフで抉られるような気分だった。適当にかつ全くもって出鱈目に調理したはずなのに。あの老婦人が作ったものとは似ても似つかない料理なのに。チェズレイの目前に名前なき完璧な料理が出来上がってしまっているのは一体何故なのか。

 チェズレイは自分の器用さをこの時ほど恨んだことはない。

「……私のことは気にせずに、どうぞお召し上がりください。可能であれば誰かに差し上げても結構です。申し訳ありませんが、私は部屋に戻りますので」

 差し出されたルークの手を拒み、チェズレイが自力でよろよろと立ち上がる。途端に顔から血の気がざっと失せるような感覚があり、尚且つルークから同じように指摘される。

「……あァ……ボス。オーブンの中でクッキーも焼いてありますので。せめてそちらだけでも……」
「分かった、分かったから! 早く部屋に戻ろうな、チェズレイ」

 ふらふらとした足取りでルークに見守られながらチェズレイは自室に辿り着き、部屋に入るなりばふりとベッドに倒れこんだ。今まで様々な可能を不可能にしてきたチェズレイであっても、この作戦は無謀だったと言わざるを得ない。だってチェズレイはその美しい見た目通りに、ありとあらゆるものを完璧にこなせてしまうのだ。こんな自分が失敗するなど不覚を取る以外に有りえないし、特にあの三人と出会ってからはとても顕著になっている。

 それに。

 ベッドの上でうつ伏せになったチェズレイが、唇を噛みしめる。

 それに、モクマがチェズレイを意識してくれたところで、確実に好きになってくれるとは限らないじゃないか。

 チェズレイだけがモクマを意識してばかりだから、モクマに自分のことを意識させて仕返ししたい。当初の目的だった純粋な決意は、いつの間にか途方もないくらいに歪んでしまった。表面的は復讐に見せかけて、結局のところチェズレイはやっぱりモクマに自分を好きになってもらいたかったのだ。たかだか幾つかの計画が上手くいかなくとも、普段のチェズレイならこれほどまでに打ちひしがれない。相手がモクマだから、チェズレイがモクマに本気だから。自分の思い通りにならないことが悔しいし、モクマにも同じ感情をチェズレイに抱いてほしいと願ってしまう。なんとも身勝手で我儘な話だ。自分の思考と今までの行動を改めて認識したチェズレイは、恥ずかしいやら呆れるやら。今すぐにでも消え入りたい気持ちでいっぱいだった。

 こんな無様な姿を、決してモクマに見られたくない。

 なんだかとても疲れてしまった。チェズレイが無意識に瞼を閉じると、全身の力が抜けてもう微塵も動けそうになかった。


※※※


 部屋の外からノックの音が聞こえて、チェズレイはふと目を覚ました。

「チェズレイ、いる? 入っても大丈夫かい」

 声の持ち主はモクマだった。勢いづいて起き上がったチェズレイはあたふたと身なりを整える。数秒の間の後、入ってくださっても宜しいですよ、と扉越しに声をかけた。ドアノブが音を立て回転し、空間が出来た部分にモクマが現れる。

「ルークから聞いたよ。体調の方は大丈夫?」
「……えェ、単なる貧血でしたので。しばらくお休みをいただきましたので、この通り」
「そっか。なら良かった」

 チェズレイの具合が悪いとおそらくルークからモクマへの伝達があったのだろう。卒のない声と調子でチェズレイは普段通りの様子で応えたが、モクマは部屋から全く立ち去る気配を見せず、それどころかずかずかとチェズレイが腰掛けているベッドの隣へと近寄ると、絨毯の上に許可もなく胡坐をかいて座り込んだ。

「チェズレイお腹減ってないかなあ~と思って。これを持ってきた」
「これは……。見間違えで無ければ、先ほどまで私が作っていたクッキーですねェ」
「うん、それもルークから聞いたよ。あまりに美味しそうだったからさあ、ルークよりも先におじさんが一枚食べちゃった。そんでもって案の定とっても美味しかったから、お前さんにも是非ってね」
「作った張本人にお裾分け、という話は聞いたことがありませんがね」

 モクマにチェズレイが手がけた料理を食べてもらえるのは嬉しいが、それを自分が口にするとなると何だか複雑な気分だ。食欲がないと告げてその場をやりすごそうかとチェズレイが考えていると、クッキーを口に含んだモクマが美味しそうにもぐもぐと咀嚼する。するとモクマの視線がふいにチェズレイに注がれた。ごくりと喉を鳴らして菓子の残骸を飲み込んだモクマだが、そのままチェズレイから一向に目を離そうとしない。チェズレイ自身も射貫くようなモクマの視線から目を逸らせない。……何故だろう、すごく嫌な予感がする。本能に近い危機感がチェズレイを襲ってモクマの見えない拘束を無理矢理振り切ろうとした直前に、その行為を阻止するように人の悪い顔でモクマが告げた。



「でも、これはお前さんにとっては失敗作なんだよね」



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